歯周病とは?
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歯周病とはどのような病気?
歯周病は、以前は歯槽膿漏ともよばれていた病気で、「歯科の二大疾患」のひとつです。現在、歯周病は、日本人の歯を失う原因の1位となっています。子供のころから40歳くらいまでは、虫歯で歯を失う傾向が強く、40歳以上になると歯周病で歯を失う傾向が強くなります。
歯周病は人類史上最も感染者の多い感染症です
「歯周病」は “人類史上最も感染者の多い感染症” としてギネスに認定された病気です。それにも関わらず、一般的には「歯ぐきから血が出る程度の病気」と軽く考えられがちな面もあります。しかし歯周病は、歯を支える骨が退縮してしまい、歯を失っていく恐ろしい病気であるだけだなく、「糖尿病」「脳梗塞」「心臓血管障害」「腎臓病」といった『全身疾患』とも密接な関わりのある病気であることがわかっています。
歯周病は日本人の30代以上の3人に1人がかかっている病気です
歯肉の所見の有無 ※15歳以上・永久歯 ~ 歯周組織に所見ある場合を歯周病とする「平成28年歯科疾患実態調査(厚生労働省)」によると、歯周病の有病率は、30代~60代の率が高く、30代以上では、3人に2人に歯周組織の異常がみられることがわかっています。
歯周病は口腔内の細菌などによって引き起こされる病気です
細菌のバランスが崩れて悪玉細菌が増殖する
口腔内には多くの細菌が存在していて、それぞれがバランスを保っていますが、何らかの要因によって「歯周病菌」と呼ばれる細菌類が異常増殖することによって、歯周組織に異変が起きてくるのです。
歯肉溝が歯周ポケットに
歯と歯ぐきの境目の部分で増殖した歯周病菌は、歯と歯ぐきのくっついた部分をはがしていき、やがてそのすき間は深くなり「歯周ポケット」と呼ばれるようになります。このようにポケットが深くなると、歯ブラシも届かなくなり、歯周ポケットの奥に歯石もできてしまいます。歯石ができると細菌の格好の住みかとなってしまいます。
やがて歯槽骨が溶けて歯を失ってしまう
歯周病菌は「嫌気性細菌」といって空気の無い場所を好むため、この歯周ポケットの中でどんどん増殖し、歯周ポケットの深くまで入り込み、やがて歯を支える骨である「歯槽骨」を溶かしてしまい、最後は歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病の症状
このような症状がある場合は、歯周病を疑い歯科医院を受診しましょう。歯周病は放置しても一つも良いことはないので、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。
- 朝起きたら、口の中がネバネバする。
- 歯磨きをすると出血がある。
- 口臭が強くなってきた。
- 歯肉がむずがゆい感じがする。または痛みが出てきた。
- 歯肉が腫れて赤くなっている。
- かたい物が噛みにくくなった。
- 歯が長くなったような気がする。
- 前歯が出っ歯になってきた。
- 歯と歯の間に隙間がでてきた。
歯周病の進行
健康な歯肉
・薄いピンク色の歯肉。
・歯と歯の間に歯肉が入り込んで弾力があり歯肉が引き締まっている。
・ブラッシングでは出血しない。
歯肉炎
・赤色の歯肉。
・歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでいる。
・ブラッシングで出血する。
・腫れた歯と歯肉との間に歯垢が溜まり悪化する。
歯周炎
・赤紫色の歯肉。
・歯と接している歯肉が更に腫れる。
・ブラッシングで出血や膿がでる。
・歯と歯の間が広がり、食べ物もよく詰まる。
・歯肉が退縮して歯が長く見える。
・歯周ポケットが深くなり骨(歯槽骨)が溶ける。