虫歯とは

日本人の歯を失う原因2位は虫歯です

虫歯はカリエス(Caries)ともいい、「歯科の二大疾患」のひとつです。現在、虫歯は、日本人の歯を失う原因の2位となっています。子供のころから40歳くらいまでは、虫歯で歯を失う傾向が強く、40歳以上になると歯周病で歯を失う傾向が強くなります。

虫歯とは

虫歯とは、プラークに中にいる虫歯菌が作り出す「酸」によって歯が溶かされ(脱灰)、歯に穴が開いてしまった状態のことをいいます。通常、歯は脱灰しても、唾液の再石灰化作用によって元の状態に戻りますが、脱灰の方が再石灰化よりも多くなると、歯は溶かされて穴が開いてしまうのです。

子供の虫歯と大人の虫歯

子供の頃の虫歯では、小さな虫歯に見えても、中で大きく進行していて、歯の神経まで達してしまっていることも多くあります。

大人になってからの虫歯では、歯の溝や、歯と歯の間の虫歯だけでなく、昔の治療部分の、詰め物や被せ物の下で進行する「二次虫歯(二次カリエス)」、高齢者によくみられる、歯と歯肉の境目にできる虫歯なども多く見られます。

虫歯の進行

むし歯は、進行度合いに応じて「C0」~「C4」という段階に分けられています。「C」とは「カリエス」の頭文字でむし歯のことをさします。

C0 ~ ごく初期のむし歯

C0は「ごく初期の虫歯」です。C0では、少しだけ歯の無機成分が溶け出している面がある状態です。黒くなったり、穴があいたりはしていません。

C0の段階では、歯を削らなくても元の健康な歯の状態に戻すことも可能です。

歯科衛生士にブラッシング方法の指導を受けて、しっかり歯みがきをしましょう。フッ素塗布も行います。

C1 ~ エナメル質のむし歯

C1は「エナメル質の虫歯」です。エナメル質は歯の中でも一番固い外側の部分です。エナメル質には神経がないので痛みなどはありませんが、自覚症状がないことから、見過ごしがちになることも少なくありません。歯科医院で定期的な検査やクリーニングを受けていれば、早期発見が可能です。

C1では、むし歯の部分を削って、詰め物(インレー)をします。

C2 ~ 象牙質まで達したむし歯

C2は「象牙質まで達した虫歯」です。象牙質はエナメル質の奥にあり、歯の神経を守る壁となっている部分です。C2では、歯に穴があいて黒っぽくなり、気づきやすくなります。冷たいもの、熱いものなどがしみたりもします。

C2では、むし歯の部分を削り、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)をします。

C3 ~ 神経(歯髄)まで侵されたむし歯

C3は「歯の神経(歯髄)まで侵された虫歯」です。神経を刺激するため、痛みもひどくなってきます。あまりの痛みに麻酔も効きづらくなることもあります(急性歯髄炎)。治療を受けず放置していると痛みが消えることがありますが、この状態は神経が死んでしまい感覚がなくなったことを意味します(根尖性歯周炎)。

C3では、神経を取る治療(根管治療)を行い、残った歯の根を利用して土台(コア)を作り、その上に被せ物(クラウン)をします。

C4 ~ 歯肉の上の歯の大部分が無くなったむし歯

C4は、「歯肉の上の歯の大部分が無くなったむし歯」です。歯根だけが残っているような状態です。神経(歯髄)が死んで腐敗するだけでなく、膿みが出て悪臭が出てくる場合もあります。さらに歯根の先にまで炎症がおよび、痛みや熱が出ることもあります。

C4になると抜歯せざるを得ない場合が多くなります。